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2月も終わりに近づくと、いろいろな所で春の気配を感じる。
伊豆の河津桜も、すっかり見頃らしい。
何か、春らしいものが食べたい。
菜の花、ふきのとう(この間、食べた)、桜鯛・・・。
そうだ、湘南の生わかめが解禁されたばかりだな。
春のわかめはしゃぶしゃぶにして食べると本当に美味しく、僕の好物でもある。
相模川バス釣り。猫ちゃんと遊ぶ午後。ふきのとう、見つけた。
湘南、浄楽寺朝市。生わかめを探しに行く。

朝5時に目覚ましをセットしておいた。
でも、心地よい布団の温もりがなかなか僕をそこから解放してくれない。
布団を持ち上げて、冷えた空気を寝床の中に誘い込む。
ひんやりとして心地良い空気と電気毛布で温められた2つの温度が、さらに僕を怠惰な時間に包んでしまう。
気が付くと時間は午前6時。
いかんいかん・・・。
浄楽寺の朝市は午前9時から始まる。
自宅のある座間から車で向かうとしたら、所要時間は余裕を見て2時間という所か。
遅れて行っても、お目当ての生わかめに有り付けなくなる事は多分、ない。
有り得るのは駐車場が満車で、車を停められないという事。
急いで身支度をして7時には家を出る事にした。
考えてみたらグラストラッカーに最近、乗っていないな。
多分、キーをシリンダーに刺して、セルを回してもすんなりとエンジンは目を覚ましてはくれないだろう。
グラトラで行こうかな・・・。
そう思ったのだけれど、一瞬、家の外に出た時のあまりの寒さにそんな気持ちはあっという間に何処かに吹き飛んでしまった。
湘南、生わかめ解禁。

暖気もほどほどに、クーラーボックスを積み込んだゴルフを南へと走らせた。
小動の交差点を左折して、海沿いに出る。
今日は波もないので、海にはサーファーはほとんどいないし、134号線も空いている。
鎌倉、逗子、そして長者ヶ崎とゴルフは順調に秋谷方面を目指して行った。
浄楽寺の朝市、この日は駐車場はガランとしている。
あ、今日は魚のラインナップ、イマイチなんだな・・・。
すぐにそう思った。
魚が充実している日は、駐車場はすぐに一杯になる。
前の日の天候とか、その辺の情報から地元の人は朝市でどんな魚が手に入るのか大方、分かるのだろう。
僕も良いのがあれば、真鯛も買おうかと思っていた。
生わかめと一緒に真鯛をしゃぶしゃぶにして食べる。
福岡に住んでいた時は、糸島の朝市で天然の真鯛を一匹千円くらいで買って来て、休日の朝に鯛しゃぶ、そしてビールと洒落込んだものだ。
でも、あいにく今日は真鯛は一匹も売っていない。
あるのはほうぼう、カワハギ、伊勢海老、サザエ・・・。
どれも美味しそうだったけれど、お目当てのものではなかったので、触手は全く動かなかった。
わかめ、キロ幾ら?
僕より先に、地元の人らしきおじさんがそう聞いていた。
キロで聞くという事は、お店か何か、やってる人なのだろう。
そのおじさん、大量の生わかめを入れたビニール袋を軽トラの荷台に放り投げて、あっという間に走り去って行ってしまった。
おじさんが先に生わかめをたくさん買って行ったけれど、それでも発泡スチロールの箱には小分けにされた生わかめがズラリと並んでいる。
解禁されたばかり、旬の湘南生わかめ。
今日はゆーがいないので、僕とかあちゃんの2人が食べるくらいの量があればいい。
二人分にピッタリと思わしき生わかめは、なんと300円だ。
来る途中、コンビニでコーヒーを買って万札をくずしておいて正解だった。
お兄ちゃん、いい男だね・・・。
差し出された生わかめを受け取り、同時にお金を差し出す時、お店のおじさんがそう言って僕を冷やかす。
お兄ちゃんという所に食らい付くべきか、それともいい男という所に食らい付くべきか。
そう悩んでいる間にツッコミのタイミングを逸してしまった。
袋を開けて中を覗き込むと、ツヤツヤとした生わかめの葉の部分と、茎の部分が入っている事に気付く。
葉の部分はもちろんしゃぶしゃぶにして食べる。
茎は細かく切って、温かいごはんに乗せて食べると最高だ。
それか、佃煮ってのもアリだな・・・。
帰りの車の中。
大した事ではないけれど、こういう小さな幸せで満足出来る自分に満足。
晩秋、雨の湘南ドライブ【いつものコース】鵠沼〜秋谷海岸。