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ふと、思った。
出世しない、今の僕の出世を諦めた人生とブラックバスがなかなか釣れない人生、そこに見出したものってなんか似てるなって。
エンジョイフィッシングスタイル。なんかいい言葉だ。
出世を諦めた人生。

病気をした事で、それまでまっしぐらに目指していた会社員人生にふんぎりを付けた。
まあ、いいかと。
会社で出世をする事でそこにあるはずの成功だけを信じて、それまで脇目も振らず頑張って来た。
でも、それを諦めた。
目指していたものを諦めて、そこから違う目線を持ってみると、そこにも自分を満足させてくれるものがある事に気がついた訳だ。
要は気の持ちよう。
自分がその気になれば、人生なんてどうにでもなる事に40歳半ばを過ぎて、初めて知った。
それ以来、僕は人生を楽しむ事にした。
今はむしろ、病気をして良かったんじゃないかとさえ思う時もある。
バス釣り、SUP、自転車・・・。
出世だけしか目に入らなかった時には、間違いなくこんな趣味に手は出さなかった。
(バイクは乗ってたけどね)
そこで得られる楽しさ、喜び、感動。
僕にとっては趣味の域を超えているように思う。
尤も、病気をしたという事があったから、そう思うのだろうけどね。
もし、元気なままこれらの趣味を始めていたとしたら、そこにそんな喜びなんかを見出せたかどうか・・・。
アラフィフとうちゃん、死にかけてから5年が経ったよ。
釣れない釣りに見出す喜び。

釣りも同じようなものかもしれない。
そりゃ、魚が釣れれば楽しい。
でも、魚が減って、釣り場の環境がどんどん悪くなる中、そんなに魚なんて釣れないようになって来た。
普通なら、魚が釣れなければつまらん、ってなる。
でも、見方を変えると釣れない釣りにも楽しい事がそこにあると分かってくる。
朝焼けが綺麗な中でロッドを振っていると、それだけで実に気持ちがいい。
一度、死にかけた僕にしてみたら、今、こうやって朝日の中でルアーを投げられているだけでも幸せな事だ。
近所の野池で釣りをしていると、そこに真っ青なカワセミが飛んでくる。
自宅近くでこんなに綺麗なカワセミを見る事が出来るなんて、と新しい発見をする。
釣りをしている事で、知り合った人もたくさんいる。
その人たちとは利害関係なしに、本音で話が出来る。
会社の人とは全く違った付き合い方だ。
こういう喜びって病気をせずに仕事人間のままだったら、出会わなかった事だと思う。
出世しない人生。
釣れない人生。
そんな中でもその気になれば、どんな所にも喜びって見つかるもんだ。