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ブラックバスが釣れなくなった理由、それは人間のエゴが原因だとアラフィフとうちゃんは思う。
いや、マジでそれしか理由はあるまいって。
相模川で釣れない日々を過ごす中、いつも僕はそう考えていた。
ブラックバスに限らず、昔は魚はよく釣れたものだ。
少なくとも、アラフィフとうちゃんの認識はそうだ。
実際、中学生の頃、同級生は津久井湖で当たり前のようにバスを釣ってたと言うし。
福岡の今宿に住んでいた頃、今津湾の目の前に住んでいたご近所さんからこんな話を聞いたことがある。
昔は目の前の海からイカが飛んで来た、と。
いくらなんでもそれは・・・。
その話を聞いて最初はそう思った。
そんな事、あるワケねーだろ、と。
けれど、ネットで調べたらどうやらイカは本当に空を飛ぶ事があるらしい汗。
いや、この話を挙げたのはイカが空を飛ぶのは本当だという事を言いたかったからではない。
昔は福岡の海ではたくさんのイカがいて、それが飛ぶという今では珍しい事象を当たり前のように見る事が出来たという事例を示すためだ。

それが、ブラックバスも含めて魚が釣れなくなったのはなぜか。
その原因は人間のエゴに尽きると思う。
僕は中学生の頃から波乗りをしていたけれど、大学生の頃から以前より夏の紫外線が強くなったと感じたものだ。
多分、それってオゾンホールの拡大のせいじゃないか、と。
今ではあの頃より、さらに環境が汚染されている。
SNSが普及して、人は自己顕示欲が昔に比べてより一層強くなった。
SNSを使えば、誰でも簡単に自己を表現出来る。
そんなSNSの広がりが人の自己顕示欲を昔より増幅させたと僕は思っている。
言い換えると、わがままな人が圧倒的に増えた。
それも世界規模で・・・。
自己顕示欲が強まると、それは同時に自己抑制の崩壊に繋がる。
自分を認めてもらうため(自分を認めさせるため)には、他者の犠牲を厭わなくなる。
その究極が他人への攻撃だ。
他者に自分を認めさせるためには、なんでもする。
認めないのなら、攻撃さえもする。
昔、ジョンレノンはイマジンで戦争のない世界を想像してごらん、と言った。
みんなが想像さえすれば、戦争のない世界は実現出来るんだよ、と。
それは簡単な事だと思うけれど、同時に一番難しいことでもある。
人は自分が一番大切であり、自己顕示欲が強い現代では、他人のことなど到底、信用出来なくなるものだからだ。
たとえ、自分が戦争のない世の中を想像し得たとしても、隣にいる奴がそう思っていなかったら、戦争のない世界は成り立たない。
必ず誰かが抜け駆けをする。
抜け駆けをする奴がいるから、自分は武器を手放さない。
結果、戦争のない世界は実現しない。
だから核放棄なんて事はいつになっても実現しない。
戦争のない世界を想像すると言うのは、理想でありそれが実現すればこんなに素晴らしい事はない。
たとえ、他国を侵略する独裁者であっても、その素晴らしさ自体は否定しないはずだ。
けれども、人間にはそれを許さない色々な事情がある。
戦争で利益を得る企業は世の中にはたくさんある。
戦争で儲ける人がいる。
戦争を起こしてでも領土を広げて、政治家としての実績を後世まで残したいと考える政治家がいる。
そんな人たちは、戦争のない世界を素晴らしい事と言いつつも、実現に向けては動こうとは決してしない。
自分が武器を捨てたとして、隣にいる奴が銃口を向けて来たら責任は誰が取るんだ?自分の事は自分で守るしかないじゃないか!と言うロジックがそこでは働くからだ。
戦争のない世の中を追求する人たちは芸術家だと言われる。
芸術とは、理想も現実も全て飲み込んだ上で、人間のあるべき姿や人間が人間たる所以を追求する哲学や概念そのものだと僕は思っている。
「現実」を知らない子供が「理想」だけを語っても、それは芸術の高みにのぼり得ない。
理想を抱いたまま、現実を知り、それでも理想を追求し続ける人こそが芸術家だ。
一方で理想は理想で理解しつつも現実の世界で、色々な事情や立場を調整しながら世の中の秩序を作って行くのが政治家だ。
この構図で言うと、芸術家と政治家は対極的な立場にある。
芸術家は自分が理想として作り上げようとする世の中に責任を負う事はない。
芸術家は立派だと僕は思うけれど、理想を実現させるための「具体策」を提示しないから、そこには実効性がないと言うのが残念でならない。
それに対し、政治家は自らの為政にある程度の責任を持つべき立場にある(逃げる政治家の方が昨今、多いが)。
前者と後者では直接的に社会を作り上げるには、後者の方が圧倒的に世の中を変えるパワーを持っている。
(芸術はムーブメントは生み出すものだけれど、政治ほど直接的じゃないし、強権力も持っていない)

誰もが戦争のない世の中を真剣に想像して、現実のものになったら、ジョンレノンのような芸術家は誰にもその価値を認められなくなる。
その理想の世界はもはや理想でなくなるからね。
(尤も、そのような世の中になることをジョンレノンは望んだのだが。そしてそういう世の中では、彼は喜んで歌を歌わなくなっただろう)。
自己顕示欲を満たすためなら、環境を汚してもなんとも思わない。
自分の不満を晴らすために自分の前を走っている車に対して、煽り運転をする。
煽り運転に適しているようなイカツイ顔をした、内装が豪華な車が売れる時代。
自分の生い立ちを不満に思い、関係ない人を無差別に殺める。しかも突発的に。
自分の能のなさを隠すために、職場で部下や立場が下の人間を平気で虐める。
これらに共通するのはまさにエゴだ。
そんなエゴを優先する人間がほとんどの世の中なのだから、ブラックバスが生きる湖や川や池は決してその環境が良くなるワケがない。
果たして、ブラックバスや魚たちが絶滅する日が先か、または人間が滅びる日が先か。
ガンという病気は、人間の体が自分の細胞をコピーする際に誤って生まれた細胞の事だ。
いつから人間は自らのコピーを誤って次の世代に繋いでしまったのだろうか。
もはや現代の人間とは、地球にとってガン細胞のような存在なのかもしれない。