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午後から雨が降るという事なので。
午前中の早い時間からグラトラで横浜の三吉橋商店街へ向かう。
セルフカットしているハサミの切れ味が悪くなって来た。
包丁、ハサミ、刃物を研いでもらうのなら研ぎ屋さんと決めている。
アラフィフとうちゃん、研ぎ屋山惣さんに行く。
山惣さん、時間が止まった空間。

いつもここに来る事を楽しみにしている。
横浜、三吉橋商店街でひっそりとお店を構える山惣研ぎ屋さん。
お店に来ると、ここだけ時間が止まっているような錯覚に陥る。
すぐ近くの横浜橋商店街とここ三吉橋商店街は、横浜と言っても少し雰囲気が違う。
庶民的な雰囲気のお店が並んでいて、港の方も好きだけれど、僕にとってはこちらの方が性に合っているように思える。
料理に使う包丁2本。
それにセルフカットに使っているハサミ2本。
それぞれ切れなくなると、研ぎ屋さんに訪れる。
まとめて持って来れば良いのかもしれない。
だけど、このお店の雰囲気が好きでわざわざ都度、研いでもらいに横浜までやって来る。
刃物研ぎなら横浜一番。

間違いなく、刃物を研いでもらう腕は横浜一だと思う。
そんな事を若輩者の僕が言うのも失礼な事かもしれないけれど、とにかく腕は信用出来る。
今まで包丁、ハサミを研いでもらうのにいろんなお店ののれんをくぐったけれど、研ぎ屋さんに出会ってからはここ一択だ。
お店に入るとなんとも趣きある佇まいに、こちらも一瞬、身構えてしまう。
すぐにご主人が出て来る。
一見、怖そうで気難しい職人さんに見える(失礼)
でも一言、お話をするとすぐにその緊張は解けてしまう。
優しい口調に、まるで腕の確かさが伝わって来るよう。
ハサミを出すと、ご主人はしばらく状態を眺めていた。
プロの方ですか?
そう聞かれたので、いいえ、素人ですと答える。
刃物を見て、それをどういう素性の人が使うのか分かるのだろう。
その日のうちに研いでくれる事もある。
けれどご主人一人でやっているので、その日仕上げというのはタイミングが合わないとそうそう、ない。
尤も、前約があるという事はそれだけ腕は確かだと言う事でもある。
それに一週間後にこのお店にまた来る事だって出来る。
一週間後が楽しみだ。