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先週は少し忙しくて、バス釣りをあまり出来なかった。
そんな事もあってか、昨日の夜に見た夢は相模川でルアーを投げるというもの。
何か、夢の中でルアーを投げてはああでもない、こうでもないと言っていたのだけれど、目が覚めたら内容を全く覚えていない。
時計を見ると3:30。
まだ、家族は寝ているけれどそそくさと出掛ける準備をした。
猿ヶ島@相模川。ワームの放置プレー。

向かったのはいつものポイント、相模川の猿ヶ島。
家から猿ヶ島にグラストラッカーで行こうか、それとも電動アシストのオフタイムで行こうか、部屋の中でグタグタと少し迷う。
前の日の雨で路面はまだ濡れているかもしれない。
帰って来て掃除する事を考えるとグラストラッカーより、オフタイムの方が簡単だ。
それに健康の面もあるし。
そう決めて、オフタイムのペダルを漕いで猿ヶ島に向かった。
相模川沿いの道を走っていると、遠目からも水位が上がっている事が分かる。
猿ヶ島に着くと、その堰はほぼほぼ目一杯の所まで上がってる。
時計を見ると時間は朝の5時頃。
すでに何人のアングラーがルアーを投げている。
ここまで増水した相模川は僕も初めてなので、先輩アングラー達がこんな日は何のルアーを投げているのかしばらく探ってみる事に。
すると先輩アングラーの多くは、糸を川に垂れっぱなしでルアーを巻いていない。
??
初心者の僕にしてみたら、バス釣りとはルアーを巻いてなんぼのもの。
それなのに、糸を垂れっぱなしで放置しているこの釣り方は一体・・・。
ひょっとしたらバスではなくて、鯉でも釣っているのか??
そう思って凝視していると、そのうちの一人のロッドがしなった。
バスだ。
しかも結構、大きい。
そのバスの口先にはワームがついている。
やっぱりワームか・・・。
この後、家に帰ってネットで調べて見て初めて知ったんだけど、こういうバスの釣り方もあるんだね。
水温が低くてバスの活性が悪い時、ワームを放置しておくっていう釣り方を初めて知った。
どうやら日本のバスは活性が低い事が多いから、この釣り方ってかなり有効らしい。
また一つ、勉強になったね。
やっぱりバス釣りでもスポーツでもなんでも、経験のある人を観察するってすごく大事だ。
そして肝心の僕の釣果について。
家に帰った僕を見てかあちゃんが、釣れた?って聞いて来た。
それに対して僕は、「ブラックバスを釣るのが好きなんじゃなくて、”バス釣り”自体が好きなんだよ」と答えた。
「ふ〜ん。お酒は好きじゃないけど、飲み会の雰囲気は好きってのとおんなじだね」
かあちゃん、ニヤニヤしながら僕にそう言う。
チクショウ。
いつかバス、絶対、釣ってやる。
高校二年生の一人息子、ゆー。

いつものとおり、ノーフィッシュでフィニッシュしたリストラ寸前のとうちゃん。
家に帰ったのはまだまだ早い午前10時。
このままビールを飲むと、眠くなって一日が終了するので何か他にやる事を探す。
本当は自転車で湘南あたりに行こうと思ったのだけれど、午後から雨が降るかもしれないとラジオが言っていた。
一方でかあちゃんはこれから車で出掛けると言う。
こんだけ汚れている車に、毎晩遅くまで残業に頑張ってるかあちゃんを乗せるのは忍びない。
なので、僕は雨が降るのを覚悟でせっせと洗車をした。
もちろん、それでも時間は余る。
さて、何しよう?
忙しい時は、時間があったらあれしたい、これしたいと思うのだけれど、実際に時間が余ると何も浮かんで来ない。
しばらく考え込んでいるとそうだ、豪徳寺に一度行って見たかったんだっけという事を思い出した。
通勤の定期を持っていながら、その途中にある豪徳寺には一度も行けていない。
招き猫で有名な豪徳寺。
詣でれば、願いが叶ってきっと初のブラックバスを釣り上げる事が出来るかもしれない。
(なんともチープな願いではあるが、本人は至って大真面目だ)
そう思い立ち、GWと言うのに家でブラブラしている一人息子、高二のゆーに声をかけてみる。
そしたら思いのほか、一緒に行ってもいいよ、と。
そう言われると、こっちとしては逆に不安になってしまう。
なにしろ、僕が反抗期真っ只中、高校二年生の時に父親と二人で出掛けた記憶は皆無だったからだ。
それでもこちらから誘った手前、やっぱり一人で行くとは言えはしない。
そんな事で午後からゆーと二人で小田急線に乗って、豪徳寺まで出かけて行った。
ゆーと二人で電車に乗ったのは、本当に久しぶりだ。
ホームに入って来た電車に乗り込んで、空いているシートに座ってふと隣のゆーを見る。
するとゆーは既に耳にイヤホンを入れて、スマホを覗き込んでいる。
いや、ちょっと待てよ、それ・・・。
親に限らず人と一緒にいる時に、イヤホンをしてスマホを覗き込むって、それは相手を無視しているのと同じ事。
完全にマナー違反だろと思ったのだけれど、そこで一言、二言と発するのを思い止まった。
考えてみれば、こうやって高校二年生の男子が親と一緒に出掛けてくれている事自体、有り得ない事。
僕が高校生と比べると、まだまだゆーは人間が出来ているのかもしれない(親バカだけれど)。
そう思うと、喉元まで出掛けていた言葉を、僕は最後まで発する事は出来なかった。
本当、イマドキの子って、僕らの物差しでは測りきれないのが困る。
豪徳寺の招き猫は僕に微笑まなかった。

僕たちが住む神奈川県の座間から豪徳寺のある世田谷まで、小田急線のドン行に乗って片道1時間ばかり。
程なくして僕たちを乗せた電車は豪徳寺に着いた。
豪徳寺の駅。
これまで世田谷線に乗り換える時に降りた事はある。
けれど、ここを目的として来た事は一度もなかった。
初めて街並みをゆっくりと見渡しながら歩いたけれど、なかなか雰囲気はいいね。
世田谷線の沿線でもある豪徳寺は、どこか雰囲気が松陰神社前とかその辺の街並みと似ている気がする。
高級住宅時であるけれど、どこか味があるというか。
そんな街並みを歩きながら、いざ、豪徳寺を目指す。
普段は自分でどこか行く時には、事前にGoogleマップとかで場所を調べるのだけれど今日はゆーがいるので至って僕はノーマークだ。
黙っていてもゆーが僕の道案内をしてくれる。
そのゆーは今月末から普通自動二輪の免許取得に通い出す。
きっとゆーが免許を取ったら、家族3人で楽しいツーリングが出来るだろうね。
豪徳寺に辿り着く手前で、ヒドい雨が降って来た。
折りたたみ傘をかざしても、肩が濡れてしまう。
そんな中、目的地の豪徳寺まではもう少しと二人で先を急いだ。
豪徳寺の門らしきものが見えて来たのだけれど、その前でたくさんの人が雨宿りをしている。
なんかその雰囲気は普通じゃない。
訝しい思いを抱いてお寺の門に近づくと、そこには拝観停止の立て札がある。
・・・。
どうやら、福も初めてのブラックバスもまだまだ遠い存在のようだ。