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今日は休日なので、早朝3時に起きて自宅近くの相模川でバスフィッシング。
向かったのは、相模川のバス釣りポイントの中でも人気の猿ヶ島。
この所の日の出時間は5時頃。
そのタイミングに合うように自宅を出る。
バス釣りを始めて1週間の超初心者だけど、果たして今日は初フィッシュとなるだろうか。
ベイトロッドにPOPXの組み合わせ

バス釣りと言っても、僕はまだまだ駆け出しの素人。
ルアーだって投げた所に飛んでいかない。
先週から始めたバス釣りだけれども、この一週間、近所の野池でキャスティングの練習を積んで来た。
いつもの野池に比べて、猿ヶ島のポイントはフィールドが広い。
先週のキャスト練習の成果は果たして出るだろうか。
そんな期待と不安の中、今日は第一投がすごく楽しみだった。
逸る気持ちを抑えて、AbuGarciaのホーネットスティンガープラスにロキサーニ (ROXANI) BF8をセット。
そこにルアーはPOPXをチョイスして投げた。
けれど、気持ちとは裏腹にルアーは思ったように飛んでくれない。
真っ直ぐ飛ばないし、距離も出ない。
残念ながらこの一週間の練習の成果は、全くと言っていいほど出ていない。
POPXは比較的軽いので、マグネットブレーキがキツいのかと思いそこをとりあえず調整してみる。
すると今度は飛距離は出るけれど、ベイトリールのスプールがバックラッシュを起こして大変な事になってる。
野池で練習した時はこんなんじゃなかったのに・・・。
しばらくそんな感じで、悪戦苦闘していた。
なんか、50歳を過ぎたいいオジサンがこんな事やってるなんて・・・と少し惨めな気分になって来た。
ルアーを投げれば投げるほど心は折れて行く。
そろそろ今日は竿じまいにして、家に帰ろうかとさえ思い始めた。
釣り雑誌の表紙に載った父親

僕は自分でも父親に性格が似ていると思う。
とにかく父親も僕もその性格は短気だ。
だから何に付けてもうまく行かない時はそのまま、って事はまずない。
あれこれと手を変え、品を変えとしないと気が済まなくなって来る。
そんな父親も釣りをやっていた。
父親がやっていた釣りは海釣りオンリーだったのだけれど、とにかく僕が見ても父親の釣りの腕前は凄かった。
子供の頃、一緒に父親と釣りに行くと、彼はどの釣り場でもその日の一番のヒーローになった。
僕が釣り場から離れて飲み物を買って戻って来ると、何やら人混みが出来てる。
その人混みの中には父親がいた。
どうやら僕がいない間に、凄い大きさのメジナを釣り上げていたようだ。
僕は自分が釣ったワケじゃないのに、そんな父親の横で糸を垂れている事になんか誇らしげでいた。
ある時、家に帰って来ると、釣りから帰って来た父親がクーラーボックスの中を見てみろと言う。
その言葉のとおりクーラーボックスを開けてみると、そこにはとんでもない大きさの真鯛が入っていた。
大相撲で優勝をした際、祝賀会で力士が誇らしげに持ち上げている真鯛よりも、間違いなく大きい。
実際、近所の人を呼んでその真鯛を振る舞ったのだけれど、その時、一体何人の人が来たのか分からない程だった。
真鯛を釣った船に雑誌の記者がいて、写真を撮られた。
父親はそう言っていた。
その雑誌の発売日に本屋に行ってみると、鯛を抱えた父親の写真が雑誌の表紙になっていた。
本当は、父親の写真がボツになっていたらなんて言葉をかけようって考えていたのだけれども。
この表紙の写真は葬式の遺影に使わなくちゃね。
そう言ってその釣り雑誌を家族で何冊も買い込んだんだ。
その父親は2020年の冬、コロナ禍の始まる前に他界した。
もちろん、葬式の遺影はあの釣り雑誌の表紙になった写真だ。
バス釣り、本気になったかも

父親も釣りを始めたばかりの頃は、そんなに魚を釣って帰って来たワケじゃない。
今の僕の状態とほぼおんなじだったと思う。
僕は短気な性格をしている一方で、のめり込みやすい性質でもある。
何かをやってそれがうまく行かないと、納得行くまでのめり込む。
今までゴルフはやった事がないけれど、多分、やればのめり込むだろうなと自分でも思っている。
その他で言うと、麻雀なんかも負けが混むとのめり込むと思う。
だからゴルフとか麻雀とか、そういうのは絶対に手を出さない事にしている。
中二で始めたサーフィンは、最初の頃はうまく波に乗れなくて、やっぱりのめり込んでしまった。
バイクもそう。
他人よりカッコいいバイクに乗っていないと気が済まなくて、愛車のGPZ900Rにはとことんお金をかけて手を入れた。
バス釣り、これは本気になりそうだ。
と言うか、もう既に本気になっていると思う。
ルアーを投げてうまく行かないのなら、何度も何度も投げてうまく行くまで練習すればいい。
投げた分だけ上達するのは間違いない。
一応、投げてうまく飛ばなかった時、今のは何が悪かったのか、考えるようにしている。
この辺の思考はアラフィフとして年の功かなと。
ロッドを振っている腕に力が入りすぎたのか、はたまたラインをリリースするタイミングが悪かったのか・・・。
そう考えてやっていると、だんだんとミスキャストの回数も減って来た。
朝5時に猿ヶ島に来て、7時くらいになる頃にはルアーは面白いように思った所に飛んで行く。
なんかこういう目に見えて進歩しているのを感じる事が出来るって面白い。
今日は午前中に病院に行かなければいけないので、そろそろ帰らないといけない。
猿ヶ島に来たばかりの時は、ルアーが思うように投げられなくてイライラしていたけれど、その時の気分もすっかりどこかに行ってしまった。
なんか、もう少しここでルアーを投げていたいと思っている自分がいる。
一週間、近所の野池でキャストの練習を積んで、次の土曜日にまたここに来よう。
今日はノーフィッシュでフィニッシュだったけれど、それでも満足出来る休日のバス釣りになった。