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どうやら今日は午後から雨との事。
やりたい事は午前中に済ませようと、午前4時から起床した次第。
長い事、グラストラッカーに火を入れていなかった。
という事で、今日は早朝から身支度をしてグラストラッカーで向かった先は久々の宮ヶ瀬。
桜、きっと見頃だろうね。
愛川あたりの山桜

今でも、座間に引っ越して来たばかりの時の事ははっきりと覚えている。
かあちゃんと二人で、車に乗って初めて宮ヶ瀬を目指した。
相模川沿いを走り、高田橋の交差点を山の方に入ると、辺りの景色が一変した。
まるでその雰囲気、山梨とか長野あたりの観光地に来たかのような感じ。
え、ここが自宅から30分程度、車で走って来た所??
車を走らせて愛川あたりに来ると、そこは鮎とかヤマメが泳いでいそうなせせらぎが道路と並行して流れている。
そんな景色に僕たちの興奮度合いはさらに高まって行ったものだ。
座間から東京の職場まで、毎日の通勤時間はかなりかかる。
引っ越した当時は、この通勤と言う不毛な時間が定年まで続くのかと、失望に似た感情まで抱いていた。
けれど、そんなマイナスの感情もリモートワークが当たり前になった去年には、すっかりとどこかに行ってしまった。
生活の軸足は、仕事よりもOFFの時間にその重心を置く事が出来るようになり、座間で生活する充実感はそれまでのものとは、もはや全然違う。
座間って、住めば済むほど居心地が良くなる土地だ。
通勤という抗いたがい、物理的な問題から解放されるとその住み心地の良さはさらに自分の中で強くなった。
愛川の町に入ると、山に所々見える山桜が映える。
グラストラッカーのアクセルを緩めて、その淡いピンク色を眺めながら、これでここで迎える春は何回目だっけ?と考えていた。
宮ヶ瀬の桜

それまでも、僕は桜の花が好きだった。
けれど、2017年に大病をして以来、入院とか自宅療養を繰り返して、春に咲く桜の花を自由に愛でる事が出来ない時期もあった。
病室から眼下に咲き誇る桜を眺めた時の事は今でもよく覚えている。
とても綺麗な桜だった。
けれど、病室のガラス越しに見る桜の花は、どこか現実の物とは思えないように感じたものだ。
そんな経験があったから、手術を終えて無事退院して、その翌年に眺めた桜は本当にキレイに思えた。
そして今年、眺める桜は今まで以上にキレイに映る。
それは去年、コロナ禍で思うように桜の花を愛でる事が出来なかった事に原因があるように思う。
鳥居原のT字路にも桜が咲いていた。
あまりにもキレイに見えたので、もっと宮ヶ瀬の桜が見たくなった。
虹の大橋をグラストラッカーで渡り、水の郷へ。
時間はまだ午前6時台という事もあり、水の郷には数人のバイク乗りと僕しかいなかった。
お土産売り場を抜けて、宮ヶ瀬湖が見渡せる広場に出るとそこでは顔馴染みの猫たちが僕を迎えてくれた。
??
僕の顔を見て、一斉に走り寄って来る猫たち。
いつもより懐いて来るな・・・。
こんなにも僕って宮ヶ瀬の猫たちに人気、あったっけ??
そう思ったけれど、次の瞬間、それは大きな勘違いである事に気が付く。
僕の後に、餌を持ったおばさんがいたんだ。
猫たちは僕をスルーして、おばさんの足元に駆け寄って行く。
無心に餌にありつく猫たち。
なんか、その様子を見ていたらこのコロナ禍って人間だけで騒いでいる、すごくちっぽけな事のように思えて来た。
そんな猫たちを横目で見ながら、自宅から持って行ったコーヒーで暖を取る。
春とは言え、標高が少し高い宮ヶ瀬のこの時間はまだ寒い。
自宅を出る時、目的地の宮ヶ瀬はまだ寒いだろうなと思い、ユニクロのダウンをバイクウエアの下に着込んでおいて良かった。
眼下に広がる桜に見入っていたのだけれど、暖を取るコーヒーを飲み終えて、ようやく腰を上げた。
ウェザーニュースでは雨が振るのは11時からとの事。
時計を見るとまだ7時前。
今から帰ってもまだかあちゃんは寝てるな・・・。
せっかくの休日だ。
このまま帰るのが少し惜しくなった。
相模原の市役所通り。桜の名所。

最後に行ったのはいつの事か覚えていないのだけれど、相模原の市役所通りは桜の名所で春になると大掛かりな桜祭りが開かれる。
歩行者天国になった桜の並木をビールを飲みながら歩くのが好きだった。
けれど今年はもちろん、そんなイベントは開かれない。
せめて、市役所通りの桜のトンネルをバイクで走ろう。
そう思い、宮ヶ瀬を出てから上溝を抜けて市役所のある相模原の中央区を目指した。
相模原の市役所通り、まだ九分咲きと言ったところか。
それでも桜のトンネルは十分過ぎるほど出来ている。
いつもなら、アクセルは必要以上に煽ってしまうのだけれど、この日だけはゆっくりと走っていた。
午後は風が強く吹くという予報なので、このトンネルをくぐるのも今年はこれが最後かもしれない。
途中、グラストラッカーを停めてGRⅡで写真を撮る。
そうだ、最後に家族3人でここを歩いたのは、僕が病気をする前だったっけ。
ようやく思い出した。
今度、家族3人でここを歩く時は病気もコロナも過去の事として、あの時と同じ笑顔でこの桜を愛でたいものだ。